図書委員会の猛者


俺が高校生の時の話である。俺は三年続けて図書委員という一貫した態度をとっていたが、
舞台は俺が二年生の頃の話である。大概の学校の図書委員がそうであるように、
公立校の場合、各学区による図書委員合同研修会なるものが半年に一回くらい開かれるのだ。
(ちなみに、時期などは学区による差が大きいため、あまり気にしないでもらいたい)
その合同研修会に俺も当然参加する事になったのである。(今回は自分の学校が舞台となる)
この合同研修会なるものは、校長も参加するため、非常に重要なイベントと言えよう。

そして、今回の合同研修会の課題は、自分の愛読書を持ってきて、それについて
簡潔かつ明確に述べよ、というシビアでもなんでもないと思われがちなものだった。
そして、試行錯誤の末に導き出し、本万事に提出した我が愛読書、それは!!
『私立樋渡高校COMICS』!!(注・少年エースコミックス)

漫画じゃん!Σ(●△●)

というツッコミの視線をめいっぱい感じました。

ちなみに、簡単に解説しますと、この本は、恐ろしいマニアの人がその科学力をもってして
漫研部の名の元に大暴れしまくるという、マニア推奨漫画です。
若気の至りとは言え、そんなモン持ってくるんじゃねぇ俺ッッ!!

あの時ほど校長の咳払いわざとらしく聞こえた事はありませんでした。(爆)

しかし、俺の横暴な行為とは裏腹に、極めて順調なペースで研修会は進みます。
他校の連中は『気遣いのススメ』やら『十五少年漂流記』やら、
やたらと学術的かつ真面目な物を紹介していたからでしょう。
『空想科学読本』やら『ウルトラマン研究序説』やら『金田一少年の事件簿』やらを
検討していたうちの図書委員(しかもほぼ全員)とはえらい差です。

きっと、あの時のうちの高校の図書委員のほぼ全員が、
『いい子ぶってんじゃねぇぞこんクソガキャ!(←同年齢だよバカ)
絶叫したい心境であったに違いないと俺は密かに確信しています。

良い子のみんなは絶対に逆ギレすんなってツッコまないようにね♪

さてさて、そんなバカ’Sはさておいて、まだまだ発表は続きます。
そして、いよいよ先輩(男)の登場です。実は密かに楽しみでした。

先輩「僕の愛読書は……『正しい詐欺のやり方』です!!」

場が一瞬にして凍りました。(うちの高校サイドは異常に沸いてましたが)

俺はこの時ほど先輩を尊敬した事はありませんでした。(核爆)
先輩、あんた、漢(をとこ)だぜ! イェーイ!!

それ以来、図書委員がまとめて校内要注意人物として認識されているのは言うまでもなかったり。(泣)

漢が漢に惚れるってこういう事か(違)


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