俺「おい、火を付ける方向に向かうなら、止めるぞ」
愚弟「分かってる」
そして案の定やっぱりというか、何故かというか火を付ける予定の方向へ
向かう仔猫。いかん! と思った我々は早急に
仔猫の確保に向かうのであった。
追う我々。追われる仔猫。そして角に追い詰める(註・その先は川っぽい用水路です)。
俺「よし、追跡する角度を変えて追い込みつつ田んぼから出すぞ!」
愚弟「オーライ!」
そして角度を変えて徐々に田んぼから出す方向へと追いかけて行く、
すると何故かいきなり進路を変更し、仔猫は石で出来た物陰(防波堤?)へ隠れた。
愚弟「えっ!? 隠れた、どうしよ、やべー」
焦れたのか、愚弟はスッと手を伸ばして捕まえようとする。
俺「あっ馬鹿! 迂闊に手を出すと……!」
愚弟の手が仔猫を捕らえて背中から掴んだ。
俺は『大丈夫か、良かった……』と一瞬気が緩んだのだが、
やっぱりそんなワケも無く。
仔猫「にぎゃー! ふーっ!!」
愚弟「あ、いってぇ! こいつ噛んだッ!?」
俺「ほれ見ろやっぱり迂闊に触るからッ!」
ざぶっ!(仔猫、用水路へダイブ)
俺等二人「ええええええええええッ!?」
そしてそのまま用水路の向こう岸へ逃走する仔猫。
後に残るは炎を背にした野郎二人。なんかシュールです。
なんか納得出来ないような微妙な心境と共に家に帰りました。
とりあえずは噛まれた所を消毒しとくか、という結論を胸に。
炎と煙を背にしているトコだけは無駄に映画っぽくてカッコ良さげな構図なのですけどね……
完