犬やら猫はともかく、蝙蝠まで。
まあ、そんなある日、昼食(弁当)をとっていたら、女子が騒ぎ出す。
なにか、黄色い声をあげているが、特に気にもとめなかった。
だが、女子の方から近付いてきた。何だろう?
女子「ねーねー、たくぼ〜たくぼ〜」
俺「……どうした?」
女子「あそこに猫がおるんよ」
その女子が示す先は、窓際の俺の席のすぐ外だった。(注・一階です)
俺「……で?」
女子「エサやってあげて〜。お腹すいとるみたいやん」
俺「分かった」
俺は立ち上がると、中庭に出て、弁当を広げた。
好物だったエビフライを我慢して与える。
猫は一応食べたが、どうも猫には味が濃いようだ。
俺「ならば……」
俺は卵焼きも与えた。
猫はこれにはいい反応を示す。段々可愛く見えてくる。(←元々猫は好き)
俺「ふむ、ならこれも……」
俺はさらに焼き鮭も与える。メインディッシュという奴だ。
猫はこれには喜び、いい感じで食べている。
女子が安心した視線で俺を見ている。
どうも俺が猫に何か手を加える(実験とかしたりする)のではないかと思っていたらしい。
俺は一体どんな目で見られているんだ……
ひとしきり猫を眺め、まったりした気分で戻る。
そして俺は気付いた。何一つとして弁当のおかずが残っちゃいない上に、
食う時間全てを消耗し、午後の予鈴が響いた事を。
申し訳無さそうに女子が見ているが、もういいや……(泣)
猫を可愛がった事が外見にそぐわぬと、噂になったのが泣きっ面に蜂。
完